2011年10月24日月曜日

心理学基礎実験Ⅱ‐6「ミュラー・リヤー錯視まとめ」

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ミュラー‐リヤー錯視
・矢印がとがっている方(鋭角)が100mmに対して短く感じる。
・エクセルにデータ入れて、平均値出すところまでが宿題。(ADAD

では先ほどの文献を出してください。
(文献とレジュメを見ながらはなし)

*レポートの書き方

○はじめに
・身の回りにある錯覚の例を考える。
・幾何学的錯視の定義について書く。
 文献作者&定義の書き方
『利島・生和(1993)によれば、幾何学的錯視とは、図形の幾何学的性質、すなわち長さ、面積、方向、角度、曲線などの関係が、物理的関係とは異なって知覚されることをいう。』
あるいは
『幾何学的錯視とは・・・という(利島・生和,1993)』という方法でも可

ついで、ミュラー・リヤー錯視について簡潔に述べる。
-文献の1ページ目右側8行目くらいから。
『ミュラー・リヤー錯視とは斜線にはさまれた2つの線分(主線)は客観的には同じ長さであるにもかかわらず、外向きの斜線にはさまれた場合(外向図形)のほうが、斜線が内向きである場合(内向図形)に比べ、長く知覚される。』

・先行研究をレビューする
文献(P30)の中から、今回の実験に関するものを選ぶ。

『利島・生和(1993)によれば、斜線の角度の影響については、角度が大きくなるとともに錯視量が大きくなり、角度が小さくなるとともに錯視量が減少するという研究(Heymans, 1896; Lewis, 1909)と、錯視量はある角度条件で最大になり、角度がそれより大きくても小さくても錯視量は減少するという報告がある。後者の場合、錯視量が最大になる斜線の角度は研究によって異なっており、Brentano1892)で30°、Nakagawa1958)で40°、Auerbach(1894)では45°である。』
*引用者の書籍から引用する時は、原著を読んだかのように引用してはいけない。
この実験のときは内向図形に関してしか実験をしていない。
ですので、今回は内向図形に関して分析して、先行研究と一致しているか否か、を見る。
『角度が大きくなると錯視量が減少する』
今回のポイントはここです。

○グラフを作る(エクセル)

・結果の整理(レジュメ2ページ目)
③平均値と標準偏差をもとに、グラフを作成する。(図1)とする。
・表から、平均値の部分だけ抜き出して、グラフ作成用に別のところにコピーをする。
(注)セルに数式を入れているものをコピーする場合は「形式を選択して貼り付け」のところから「値」を選んでコピーする

・作った表のADの列の間に一列、挿入する、60°の列の下に『(A60°のセル)-100
この処理をD(下降系列)に対しても行う(-100の処理)
つまり、ここでも止めているのは「錯視量」ということ。
主観的投下点から100を引いたもの=錯視量
この計算は「呪いの黒十字(=フィルハンドル)」でやると、簡単です
あー、今期もまたこの「ご冗談」を貫くわけね・・・つらい

・では、ここまでできてからグラフを作りましょう
今回は「縦棒」
-折れ線は連続データの時に使いますね、棒グラフは不連続なデータの際に使います。
なので、今回は棒グラフということになります。
「集合縦棒」を使います。
データにかぶらないところまで移動させてくださいね。(*…、そこまで言われる俺らって)

・「データソースの選択」
ここで、Aの錯視量を指定して
「系列1」というのを名前を変えましょう。
「編集」を押して系列名のところに「上昇系列」と入力。

これだけだと一本しかグラフが出ませんので、
こんどは「追加」を押して、まず「系列値」のところにデータを指定します。
そして「系列名」に「下降系列」と入力しましょう。

そうすると、右側にデータが出ていますね。かわいらしいモンです(*そうか?)
この1とか2とかでは横軸の意味がわかりませんので、
「横軸ラベル」の編集をします。
そこで、「軸ラベルの範囲」を角度を入力しているセルのところに指定してください。
みなさんの可愛いかわいいグラフができました。うれしいことです。(*まじで?)

でもまだ終りではありません。この右側の見本と比べるとまだ色々と違いますね。

(ではここで休憩して、1450分から再開します。)

変えるべきポイントは
まず、「グラフのタイトル」
タイトル=「図1.角度における錯視量の変化」
置く位置は、
グラフの場合、タイトルは下に
表の場合には、タイトルは上に

レイアウトから「軸ラベル」を選んで
「縦軸があらわしているものの表示」
「横軸があらわしているものの表示」をします。
「錯視量」と「角度」ですね。

で、グラフの上下の不必要な線を消して、

次に右クリックで「軸の書式設定」をし
軸の目盛りも違いますね。
「プラスとマイナスのメモリをそろえる」
25mmから25mmまでのグラフにしましょう

そして「データ系列の書式設定」を選んで
赤と青のグラフの色、白黒よりもこっちのほうが可愛いですよね、知ってます!(*ふー・・・)
でも~、白黒のプリントをするとほとんど同じ色になってしまいますので、これも変えましょう。
「塗りつぶし」を選んで、「塗りつぶし(単色)」色をグレースケールの何かに
色を薄くしすぎた場合に備えて、「枠線の色」も付けておきましょう。

○結果
ではまた、レポートに戻りましょう
皆さんのレジュメには
「結果の整理」という項目がありますが、これはレポートの項目ではありません。
レポートには「結果」と書きます。
「問題と目的」「方法」「結果」「考察」この4つがレポートの項目です。

で、結果に載せるのは
・図(グラフ)です。
これで終りではありません。
何をやったのか、項目をたてます。
『(1)図1.角度における錯視量の変化について』
『上昇系列と下降系列の平均値について図1に示した』、ということを書いてください。
そして
『図1を見ると分かるように』
という形で、そこから見て分かることを、2行くらい書いてください
(ここは余り一杯書かなくていいです、一杯書いてほしいのは「考察」です。)

そして(2)ということで、分析をしてください。
平均値で見えづらいようなところを

今回のポイントは、「角度がどうなると、錯視量がどうなるか」ということですが、
先行研究では「角度が大きくなると錯視量がどうなるっているか」をかく。
今回の先行研究では内向図形だけなので、180°まで。
今回の結果から見ると、下降系列よりも、上昇系列の方が、差が分かりやすく出ていますね。
ここをみると『錯視量が減少している』と。
で、
外向図形に関してオール無視はかわいそうですので、(*かわいそうって…)
ここに関しても一言触れて欲しいのですが、ちょっと解釈しづらい結果になってしまいましたね。
(グラフは下向きが-、上向きが+と)

SPSS
では結果のもう1つ、お楽しみの(*そんな楽しみじゃないよ)SPSSです。

今回使うデータは
AD60°、120°、180°の3つです。

*プリント配布(以下の作業はプリントに沿って)
1要因の分散分析(被験者内計画)」

では、SPSSの設定を。
「変数ビュー」をあけて、名前を変えるのですが、
角度については「r60」というような名前の付け方にしてください。
そしたら、
分析に入ります。ジャジャンジャンジャジャン!
(*M ノーリアクションでいるのってみんなつらくない…?)

メニューのところから「分析」の「一般線形モデル」の「反復測定」を選びます。
「反復測定の因子の定義」
今回は被験者内要因計画ですね。
つまり、同じ人で角度の違いを見ていますね。なので被験者内。
で、何回もやっているので反復測定、と。

「被験者内因子名」は「角度」
「水準」は角度が3つなので「3」ですね。で「続行」を押して

「被験者内変数」のところに角度を3つ入れていきます。
で、「オプション」をして、
「主効果の比較」にチェックをいれて、「信頼区間の調整」はBonferroni
これはなにをやっているのか?
分散分析では、有意差がでるかどうかのまえにまず主効果が出るか否かを見る。
本当に比較している3つの物の差の間に差がでるのかどうか。
その後に、どこに差が出るかを見る。こことここ?こことここ?と総当りで。
ですのでまずは主効果が出るかどうかを見ます。

その後「表示」の
「記述統計」にチェックで「続行」
で、次の画面で「OK」を。

すると、(処理中…)表示が出ますので、出力を待ちます

*では、出力の見方のプリントを配布します。

では、運命の出力結果を見ましょう。この結果はエクセルに保存して持ち帰りましょう。

まず必要なのは上から4つ目の「Mauchlyの球面性検定」です
見ていただきたいのは「有意確率」です。ここが「.359」になっていますか?
有意差が出た、といえるのは.050からでしたね。
今回は、35.9%ですので、球面性については考えなくてもいいですよ、ということです。
これは前提条件です。

むしろこちら
被験者内効果の検定」の表
球面性と言うのは、数字によって見るべきところが変わっていくのは、
「球面性の過程」の数字が自由値、F値、有意確率、誤差ともに使えますよ、ということ。
自由度=2、誤差=40F値=22.843、有意確率 .000

ですので、書き方は
2)角度を水準にした分散分析
『角度の主効果はF2,40=22.843P.001(=0.1%水準で有意である)ということです。
これはつまり『角度による主効果があった』とう事です。
また、このSPSSの表は貼り付ける必要はありません。上記の式にすればそれで十分です。

この後は、各角度間の総当り戦の結果についてです。
ではSPSSに戻って
多重比較の表=「ペアごとの比較」
をコピーしてまたエクセルに貼り付けましょう。
「有意確率」を見てみましょう。
まず、60°と120°の間に有意差はありますか?数字は「.016」ですね。
ですので、5%水準で有意、ということが出来ます。
(ここの差は前のクラスでは出ませんでした)

60°と180°については「.000」ですので、こちらのほうが120°よりもはっきりした結果が出ましたね。
0.1%水準で有意、と。
では、120°と180°は「.002」ですので、これも1%水準で有意な数字が出ていますね。

○考察

だいたいの人は、考察が、2,3行という悲しいことになりがちですが、
このクラスの成績をつけているポイントは、
4つあって、+その他の5項目で各20点ずつあるところからの減点法です。
授業中に書いてね、と言っているところを漏らさずに書いてください。
他のクラスのレポートとはこれは全然違いますよ。

考察①
ここは結果の(1)と対応しています。
グラフから目で見て分かることから⇒さらに考えたことを書いてください
上昇と下降で何故差が出た?
ひとつあるのは手続き上の事です。(手が滑って早く動かしちゃったとか)
あるいは、利き手、利き目といったご自身の要因。
また、
今回は、22人分のデータを集計して分析、グラフ作成をしていますね。
もしかしたら、この素材の中に「んん?」というデータがあると、結果にもそれが反映してしまいます。

私が思ったのは-
内向図形の場合は、短く見える、と多くの人が判断しましたが、データをみると、60°でも100を大幅に超えている人もいる。こういったことは何故おきたのか?もしかしたら手続きミス、計算ミス、いろんなことが考えられます。また、すごく慎重な人だったら、普通の人より長い時に止めちゃったり、とか。
考察には、○○を書かなくてはならないという事はないんです。
ですので、もし、データについて、レポート内で述べたいということがあれば、
また、「全体のデータ」「御自分のデータ」そして「内省報告」は、巻末に「資料」として添付してください。
そうすると、このデータに基づいて書くことが出来るわけです。
で、

ついで、考察の②
・先行研究と一致していたか否か
今回はどうでしたか?一致していたら一致していたと書いていただければいいのですが、
誰の、何年の研究と一致したか、を書いてください
一致していなかった場合、ローデータや内省を更に生かせますが、
今回はまぁ一致していましたのでそんなに細かく書く必要はないです

③人間の知覚体制のメカニズム
今回の幾何学錯視とか、ミュラー・リヤーとかを越えて、もっと一般的なことです。
今回、皆さんには線分を使ってやってもらったので、実験室の中だけのことと思われがちですが
*スクリーンに写真の錯視(ポンゾ錯視-奥の方が大きく見えるというもの)
(車のコピペ、「上のほうが大きく見えませんか?」)
スピードの出しすぎ、とかとの関係とか。
その錯覚と事故の関係

*もう一枚の写真
四国、屋島のお化け坂、の写真(降りに見えるが、実は上り)
間違ってアクセルを踏みがちな坂。
脳が嘘をつく、という視点。
この部分についてはオリジナリティを期待しています。

○引用文献
一旦最後まで話しますね。
このレジュメには今回配っていない本が書かれています。大山正の本。
これは読んでも読まなくてもいいですが、
とても厚い本です。「撲殺に使えそうな」厚さです(*M…そうだね。おもしろいたとえだね。)
使わない場合は、このプリントを記載してください。

○復習 レポートの時制
改めて言いますが、

問題と目的=現在形
方  法 =過去形
結  果 =過去形
考  察 =現在形

ここは最後の最後でつめが甘くならないように。
レジュメの「方法」の部分。ここには明らかに余分な物がついていますので、適宜
上昇系列と下降系列と、そういう事が書いてあればまぁ。

●パワポプリント配布
『心理学における測定~精神物理学的測定法~』

・精神物理学的測定方法
Fechnerフェヒナーが考案
実際の、物理的なものを測定するのではなく、どのように見えたのか、どのように感じられたかを測定する
刺激が見えるか見えないか、どちらが長いか短いか、2種類か3種類のカテゴリーの反応を求める。

・調整法
今回やったのはこれですね
応用としては、色見本をつかって同じものを選んでもらうとか。

これは比較的楽な方法です。
・長所 簡易・時間の節約が可
・短所 手続きが被験者に全て分かってしまうため、意図的修正を受けやすい。
被験者ごとに操作が著しく異なる可能性や、操作の反復性や透明性に問題がある。

・極限法
2点はこちらです。
・増加または現象する比較刺激を実験者があらかじめ定めておき、順に提示して被験者に比較させ、やはりあらかじめ決められた選択肢の中から選択させる方法である。
・比較刺激は、大から小、および小から大と一定の割合で変化させて、順番どおりに提示される。
この境目が「閾値」というもの。

長所 手続きが簡単で、実施が容易、適用は二が広い、測定手続きの透明性および再現可能性の優れている
短所 刺激系列の変化の方法が被験者に容易に知られてしまうために、次の予測がしやすい

・恒常法
一番科学的な方法です。
個人差が相殺できます。
数段階に変化する刺激を、それぞれ20から200回程度ずつランダムな順番で被験者に提示、それに対する反応を求める。

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