2011年10月13日木曜日

SST入門講座‐4 構造化された学習/ひとりSSTの実践


4限 227 正田久子 (出席-26人)

今日でこのプリントからは離れましょう。
予定としてはプリント終えて
ウォーミングアップ中心にみんなでやりましょう。
来週から皆さんにウォーミングアップを分担してやっていきましょう。
さて、じゃあさっさとやりましょう。
今日は出来れば、ひとりSSTで練習の手順の順序をやってみると

5SST3つの特徴(先週からのつづき)
(先週やった内容―特徴:①参加者の個別化 ②スキルの細分化)

53)構造化された学習
・グループSST610人程度・1時間~1時間半・頻度はさまざま
・個人(ひとり)SST:相談面接、日常生活の場面
・家族SST:家族会など

・構造化された学習、私たちは社会の中で「人から学ぶ機会」はある。
何かをお願いする時は「すみません、○○してください」-お礼
と言う事を学んでいますね。

しかしそれを学ぶ機会のない方にとっては、学ばねばならないこと。
少年院の先生からあった意見として「私たちは毎日少年に『指導』しています」と
「とってくれ!」じゃなくて、「とってください」と日々指導しています
なのに何でSSTが必要なんですか?という質問があった。

これはなぜか。
たしかに日常的には偶発的にそういう場面はありますね。
しかし、それを偶発に任せるのではなく、
何かの目標、たとえば「働きたい」とかがある場合には
偶発的にではなく、意欲を持って学習しないと
上手くやっていくのに支障が出る可能性がある、と
だから、SSTは「認知と行動を学ぶ構造化した学習の場」を造っている

・グループ、ひとり、家族

一番多いのはグループ、です。
この人数は、対象者にもよる。重度の人が多い場合には小さいグループにするかもしれない。
緊張の高い精神障害、とかは、経験的にこのくらいの人数です。ということが
「時間」も対象者の集中度による。
間隔、頻度もさまざま。課題があるときだけやる施設も。

ただ、いえるのは「積み上げて」ということは「行動」の場合、大事
おはようございますの細かいステップ、
頻度をしょっちゅう繰り返せば繰り返すほど学べる。
間隔があくと、えーっと、ということになる。
私の経験としてもSST終わった直後は、 
SSTに染まっているというかやる気が高まっていますが、
間隔があくと・・・

行動形成を重視する場合は頻度を詰めてやらないと
実践してホームワークしてとしょっちゅう機会がないと。

しかし-
昨日あるグループであったのは
教会のバザー、婦人部の方が模擬店を出す。
リーダーと仲の良い女性の方の課題
その方はバザーになるといつもリーダーさんが
「今日はカレーだから、あなた適当に5人くらい声をかけて手伝ってもらう人を集めて」
と言われ、結局拝み倒して集めてこないといけないと。
リーダーさんは命令するだけであまり手伝ってくれない。

あまり親しくないみたいらしい。でもなんで毎回私なのか、という話。
では、そうじゃないパターン、をかんがえてやろうと。
これは行動形成とは違いますね。

この話は、結局、断るという設定を当初は考えたが、
「私も、リーダーさんも声をみんなにかける」ということになった。
「私からも声をかけますけど、リーダーさんからも」と言うということを実行する。
いろんな意見から、彼女がそれを選んだ。
これはだから、1回でいい、ということですよね。
必要に合わせてSSTに参加する、と。

私のかかわっているグループでも、
ほんとに毎週のところもあれば、つき2回、月1回、と色々

あと、グループのあり方。
例えば、オープングループとクローズグループ
この後期クラスのグループは、固定されたメンバーのグループ、
これはクローズドグループですね。
それに対してオープンは蓋を開けてみないとわからない、と。

私のお手伝いしている地域生活支援センターはいろんなメンバーが色々に利用している。
そのかたがたが課題の解決にあわせてくる。
たとえば、こないだは企業の合同面接会。9月末に
それに向けては皆さん来て練習をされていた。

もうひとつは、セミオープン
卒業する方と、新たに来る方が順次代わっていくグループもある。
うつ病の復職支援をやってるセンターなどは、復職するとまた新しいメンバーが来て、というような。

これに対して「ひとりSST」11です。
やり方は同じだが11
これは相談面接や日常生活の場面で使える、
便利な、ポータブルなものです。場所もとらないし。
いつでも出来る。
11ということは、プライバシーが守られる。
みんなの前では言いづらいことを出来るメリット。

このなかで臨床の方もたくさんいますね。
将来カウンセラーになって、いろんな気持ちを効く、相談に乗る、
臨床場面でひとりSSTは活用できるんじゃないかと思える
サポートの選択肢を増やせる。

また、お子さんにもいいと思うの。(自分の)
前の日に学校で喧嘩しちゃった子供、翌日なんていえば良いかな、という話。
お母さんが、こんなふうにあやまったらどう?と、お子さんを相手役にして見せてあげた。
すると、役割交替して練習してもらって、学校にいってうまくいったと。
なので子育てにも使えるな、と。

で、家族SST
家族会などで、ご家族のためのサポートとして、家族会でやるSST
例えば、あるお父様が、最近デイケアに引きこもりの子が通えるようになった、
「是非続けて欲しい」ということを伝えているか、いない、ということで
それを伝える練習。これまで「今日楽しかった?」→「楽しかった」だったのが
「今日はどうだった?」「どんなことしたの?」と聞きかたを変える。
そして、「それは嬉しいね」と私メッセージで。

最初の質問はYes-NoQuestionですよね。
これにたいして練習したのはOpen Questionですよね。
もし、会話が上手く成り立たない時にはQuestionをかえてみる、と。
オープンに。話が引き出しやすい。

そんな風に家族SSTをやった。家族内コミュニケーションの向上。

これ、3つを併用できると効果が上がりやすい、ですよね。

6.SSTの実践モデル

1)基本訓練モデル:参加者の個別的な希望に応じて課題を練習
2)モジュール訓練モデル:学習する技能領域を体系的にまとめたプログラムにそって課題を練習

7SSTの歴史 
1970年代初め、アメリカのリバーマン教授(Robert Paul Liberman, 1937-)
統合失調症について「ストレス-脆弱性-対処理技能モデル」を提唱し
精神科リハビリテーションの方法としてSSTを開発

・日本では1988年の東京大学デイホスピタルで本格的に導入
SSTの効果は実証的研究により証明されており
 社会生活上の困難をもつさまざまな対象者へと実践分野も広がっている
・精神科の病院から、患者を地域に受け止めよう、というながれ
しかしなかなか地域での生活が安定しないというところから編み出されたんですね。

リバーマンが提唱したのは、
マイナス要因としての
・ストレス
・脆弱性(精神的にストレスに弱い体質、素質)
この二つがマイナス要因

これに対してプラスの要因は、
・薬
・生活技能
・社会的支援(グループホーム、デイケア)
この三つがプラスの要因

退院促進したにもかかわらず
何故上手く地域での生活がまわらないのか。
病院と地域を回転ドアのように回るという事が起こっていた。
なぜか?

社会的支援は施設もサポーターもいる。
しかし、本人が生活技能をもっていなかった
例えばヘルパーがきても、何をどうして欲しいのかを伝えないと目的は達せられない。
使いこなすには本人がスキルを持つという事を身につけないと。

このためSSTは開発された
この当時アサーション、自己主張訓練はあったが、その流れから
行動療法とか学習理論を取り入れて。

私は、リバーマン先生の初期のビデオを見たことがあるのですが、
その患者さんは非常に病態が重い。見るからに地域になれていない。
そういうかたがすみませんとお願いするとか、基本的行動を練習しているビデオ。
しかし、だんだん、地域への回復が進んでいくと、行動だけでなく、認知の部分も必要だと。
1980年代後半になるとうつ病の認知療法も確立され、SSTは認知領域でも-

(効果、はまた皆さんの体験後にやりましょう)

8SSTの効果
・問題の発生を予防
・生活の質の向上(セルフ・コントロール)
・精神科関連の病気の再発防止
・自己効力感(自身へ)

●ではウォーミングアップを

その前にゲームをやりましょうか。
これから、ちょっと二人組になってじゃんけんを使ったゲームをしてみましょう。

なにをするか、
学生さんに手伝っていただいて、では。
立っていただいて

じゃんけん、勝った人は肩に手を置いて、縮めていただけますか?
これを3回負けたら「しゃがむ」と。

○個人戦と団体戦(負ける・・・)

さて、今日はウォーミングアップの効果について
・血流が上がる
・連帯感が持てる
・気持ちが盛り上がる(想像的にやろうという意欲)

ウォームアップって楽しくない?
楽しい気分でやる気、集中力が出て、
さぁ課題に取り組もうという気持ちを引き出せたらOKなんだよね。
しかし、メインは「課題」です。
ウォームアップはそこに向けてのプロセスということは押さえて下さい。

これから進めるにあたって人数が多いので、
グループを来週から二つにわけて、やっていきましょう。
ウォーミングアップは約10分くらいの、長くても15分では終わるように。目安として。
ということで、効果としてはそういうこと。

それから、やるときに
今私は「目を覚ますためにやりましょうか」といいましょうか。
まず「なんのためにやるか」ということを言ってください。目的
それとなにをやるか、
「じゃんけんゲーム」という名前、ということを紹介に入れてください。

みなさんにこれから参考のためにウォーミングアップ活動集をお渡しします。

留意点としては、
まず「安全」であること。例えば椅子取りゲーム、倒れたりとか滑って転んだりとか
お年寄りのグループとかだとね。
また、どういう参加者かな、と、中に乗れない人がいないかどうかを配慮してください。

例えば発達障害のかたのなかには、じゃんけんでも「負けたら絶対いやだ」とか。
競い合うことは避けたほうが良い場合もありますね。

それと、「前向きなもの」
フルーツバスケットを例に取ると、
「鬼」とよぶのか「リーダー」とよぶのか、これは大きな差だと思いませんか
ちっちゃなことなんだけど気遣いをしていただけたら

例えばじゃんけんの、進化ゲームというものがあって
昆虫、お魚、なんとかなんとか、人間になるというもので
たとえばゴキブリからスタートするということよりも、
赤ちゃんから長老へ進化するというようなこととか。
イメージのところも大事なので。

なので、その辺を押さえていきながら皆さんで学んでいきましょう。
来週のグループのリーダーを-


じゃぁこれでやっていきましょう

●「ひとりSST」の実践

まず、グループについて考えてみましょう。
リーダーシップのとり方。
参加のありよう。

これからやっていただきたいことは、
誰がコミュニケーションをとって、誰が興味を持っているか、だれが参加しずらそうか、
ということをみつつ、観察してくださいますか。全体を観察する。
グループダイナミクス(力動)

では、いよいよ「ひとりSST」
誰かボランティアでメンバーさん役やっていただけないでしょうか。
 
まず、私と目が合わない人はNoということですね。
逆に、目があった人、Aさん?Bさん?

じゃやってみましょう、Aさんお願いします。
こういうメンバーの方です。
医療保険(自立支援医療)の更新をしなきゃならない、
でも何の書類を市役所に持って言ったらいいか分からないの、
どうしたらいい?
という相談を持ちかけてきたメンバーになってもらえますか?

私は職員として、対応します。「私調べてあげるわね」と言ってしまえば早いのですが
Aさんにとっては自分でお役所に何を電話すればいいか知るチャンスなんですよ。

あとで、皆さんにもやっていただきますね。

○模範例(先生とAさん)

メンバー「今日医療保険の更新に来ました、どうしたらいいでしょうか」

先生「毎年更新だもんね、何をもっていったらいいんでしょうね
市役所にいって更新するんでしょうかね、じゃあ市役所に電話をしましょうか」

メンバー「電話苦手なんです」

先生「そうですね。電話って不安になりますよね、
じゃあ私と一緒に練習してみましょうよ。やってみませんか」

メンバー「はい」

先生「じゃあ、私がまず、ちょっとやってみますので、
Aさんはちょっと席をかわって、市役所の人になってくれる?

-ということで、
「練習の手順」の5番目のところです「必要ならばお手本をみる」
・お手本をやるときは立ち(座り)位置をかえてやる

先生「じゃあ、市役所の受付につながるから、なに市役所だっけ」

メンバー「国分寺・・・」

先生「医療保険の係につないで、それで『なんですか』ってでてください。
じゃあやってみますね。」

(電話:メンバーと先生で電話のやり取り)

「医療保険の更新に必要なものをおしえていただけますか」
と、こんな風に聞いて貰えたらどうだろう。じゃあ、(ということで、また席を戻して)

-これで5が終りました
それで「場面をつくって一回目の練習をする」
 
(練習1

-ここから7
 「良いところをほめる」

先生「いいじゃないの、落ち着いて電話できましたね。ゆっくり話していたし、
お願いの言葉もはいっていたし、○○○だし、4つもいいところがありましたよ。
一つアドバイスは-(メモの用意をしたほうがいい)」

じゃあ皆さんも隣の方とペアでやってみましょうか。

(ペアでやって感想いったりして今回は終了)

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