2011年10月20日木曜日

認知症サポーター養成講座

@三鷹市産業プラザ 18:30~
NPO法人鷹ロコ・ネットワーク大楽
認知症キャラバン・メイト 森松徳美(三鷹市井の頭地域包括支援センター)

特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク
全国キャラバン・メイト連絡協議会事務局(東京都新宿区)
URL: http://www.caravanmate.com

(あいさつ)

○三鷹市地域福祉課の中島さん
認知症を正しく知ろう講座、症状、具体的な接し方を今日は。
ここの会場はNPOの鷹ロコネットワーク大楽の教室。
後ろにいらっしゃるのがそこの林田先生。活動のご案内を講座の前に-

○林田先生
三鷹の鷹に、地元の意のロコを合わせて。ネットワークというのは、もう今日皆さんいらしてくださった福祉の心のつながりを-、大楽は(人生を楽しみましょう)と。
認知症というと、高齢者(前期、後期)とあるが-
昔、新人類という表現がありましたが、私たちぐらいの年になると高齢者の世界の新人類になれるかと思いますので。福祉というと弱者というイメージが強いかと思いますが、快楽パワーというもので-
シニア世代の新人類、と。

*M 普段からあまり若い人はこないような話しぶりだな。身近な家族がそうなって、ということが大きな動機なのか。

あとでまたHPを検索していただくと-

ここの教室でホームヘルパー2級の講座を
普通は仕事でと言う事だが、市民としてそのような心得があってもいいんじゃないかと。
土日に行う講座をやっておりますので、チラシを配布させていただきたいと。
もう一点
今日こちらにかわいい、ルシアンというもの
神田川町会というNPOの-
一人暮らしの75歳以上の方に、町内会の方がお花を配っていますそこにNPOとして参加しているが、
一人暮らしの方は「喋りたい」ということが元気のもとなんですね。
でもTVと話してもなんとなく独り言で終わってしまう。
傾聴ボランティアがいま施設に言っておりますが、これから在宅でも、と。
しかし一人暮らしのお宅にいきなり入ってこられるのは抵抗がありますよね。
かといっていのちの電話とかまでは行かない。
また、セールスや振込み詐欺なんかの電話がかかってきても、無防備に話してしまったり(年寄りなんでわかりません、ということから番号が漏れたりして)
で、そこでルシアンを無料で配って、町内会の会長さんと話せたり、電話代が無料になっていて-

○アイコミュニケーションの-(営業の人)
ルシアン、TV電話の端末。
インターネットの無線環境で使える。ネットでTV電話が使える、と。
(あー、これのテストをしていたのか)
固定電話にかけられるわけじゃなくて、このルシアン同士の通話が出来るもの。
いま、かけている最中、と。(御徒町の事務所とつながっている)
今私たちからは画が見えていないですが、こっちの絵は飛んでいる、と。


それでは講座の方に
井の頭地域包括センターの森松さん。

通常2時間くらいで話すのですが、今日ははしょった形になりますが
途中でDVD20分。だいたい1時間で。
今日の主旨は、認知症サポーター講座と言う事ですが、実際は認知症の紹介などにも使われています。
ま、さわりのような形になりますが。

*Mなんだろう、えらくはきはきとした話し方だ。普段から高齢者相手に喋る時はこういうモード、
ということなんだろうか。

・私がどうしてここにいるか
普段は老人保健施設は「なかいどう」内で。三鷹では一つの住区にひとつある

・地域包括支援センターとは
住み慣れた地域でできる限り継続して生活をおくれるように-
介護保険を中心としつつ
福祉、医療、保健等を包括してというかたち

・業務内容
 介護予防ケアマネジメント
 総合相談
 権利擁護事業
 包括的継続的ケアマネジメント
それを支える
ネットワークの構築(この講座もそれ)

・井の頭地域福祉支援センター
同じ法人のなかに、子供というような形で、センターは牟礼にあるので
これは何で出来たか。
東京都は特殊なところですね。少子高齢時代にふさわしい「すまい」の東京モデル。
地域全体に「ケアつき住宅」と同様の安心を提供したいということから「シルバー交番(仮称)」と。
これはワンストップサービスの窓口です。
家にいながら、施設にいるような安心感の仕組みを、という方向性に基づくもの。
(本当の交番からクレームがついて、「シルバー交番」の名称は使えないそうですが)

センターを一つ造っただけじゃすまない、と。
皆さんのネットワーク、サービスのネットワークがないと、安心にはならない。

なぜそいうことになるか

65歳以上の全人口に絞める割合
H22 23.1%
以下推計値
H25 25.2%
H47 33.7%
H67 40.5%
日本の特徴として後期高齢者(75歳以上)がおおい。平成29年以降は前期高齢者を上回る見込み。

こういう推計があるので、大変になったから施設に入ろう、が簡単にはいかない。

・認知症の出現率
65歳以上の13人に一人
85歳以上の4人に一人

「認知症になったから終り」ではない「ぼけちゃったら気楽」でもない。
住み慣れた地域で1日も長く暮らせるように。

・物忘れがあれば認知症?
加齢によるものと→一部の物忘れ。自覚がある、進行しない。
認知症によるもの→体験全体の物忘れ(よく例に挙がるのは、ご飯を食べたこと自体忘れるというもの)


進行性で悪化、見当識障害、BPSDの出現―認知症の特徴

・BPSD
Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia


アルツハイマー病が認知症の50%
脳血管認知症 30%
レビー小体 10%


認知症様の症状を示す病気はたくさんある。


ある日急に認知症になるわけではない。
その人とは思えない行動」で気づく
診断は医師
「そういえばあのとき○○だった」と思うことも
身近な人が感じて記録に残すことがが大事。
身近な人以外には分からないことも。具体的な事例をあげて説明する必要アリ。
「三鷹武蔵野物忘れ連携シート」

・家族が作った認知症 早期発見の目安
物忘れがひどい
1.今切ったばかりなのに電話の相手の名を忘れる
2.同じことを何度も言う、問う、する
3.しまい忘れ置忘れが増え、いつも探し物をしている
4.財布・通帳・衣類などを盗まれたと、人を疑う
(略)

現れ方はひとそれぞれ、順序も違う。

認知症のかたの理解
連続ドラマの一部分だけみたような状態。何でこれが起こっているのか分からない。
例えば相撲なら見られても連続するものは難しいみたい。

・自分に何が出来るか
(自分だったらどうして欲しい、と)
否定しないで受け入れて欲しい、
こまったときにさりげなく助けて欲しい

・気づき
例えば寒いのに夏の格好とか、いかにもちぐはぐ、な格好とか
対応時に、答が「はい」でかえせないような聞き方(オープンクエスチョン)では難しい。
旧姓や昔の住所を言ったりする事がある。
今日は何日ですか?の答え方も

・ご家族や地域包括支援センターにつたえる
あれちょっと?と思ったときは、具体的な事実を伝えることが大事。

支援センターや市役所で探すことはなかなか難しい
なので知り合いの方が連絡先を聞いておくことは重要

専門機関につなぐにあたっての窓口としての地域包括支援センター。(サポーターは橋渡しの役目)
何故これを力説しているかというと、
対応によっては症状を遅らせたり、ながく自宅に住めたりするから。

・具体的な対応
できないことを責めるよりも、できることを一緒に考える、と。
「こんなことしちゃだめでしょ」は萎縮させるし、
認知に障害があっても、「嫌だ」という感(感情)はすごく残る。*M SSTの「ほめる」もこれがあるからだよな。

うまくいかないことには「原因」がある(推理のようなところもあるが
ということも事実に基づいた記録は重要。
ADL(日常生活自立度)や生活習慣(家族からの情報)、時代も含めて考える。
(例えば「トイレ」という言葉か「便所」なのか、とかも、それで分かる/分からないが変わることもある)

・後見制度と日常生活自立支援事業について
成年後見制度
(認知症の判断が早くついた方が良いという理由の一つはこれ)
法律で決まっているもので、介護保険と同時期に出来た。なぜなら介護保険は契約制度だからです。
むかしならこの人は施設に入ることが必要です、でははいりましょう。でよかったが、いまは契約なんです。
施設側も、じゃあだれが契約するのか、一人勝手に入所というわけには行かない。
なので判断能力が低下した時のために、将来のために、任意後見を予め頼んでおくこと。あるいは、法定後見という、家裁が認めるものがある。

認知症発症からだいぶたって明らかになって、また身寄りが近くにいない場合、周囲が=親族が申し立てる。親族がない場合は、市長申し立て(しかしこれも簡単ではない)

本人が結んだ契約自体を無効にすることが出来るのは法定後見。しかし医療上の同意はできない。本人の志望により後見人の仕事は終了(なくなった後にはまた別の問題が
-死後の事務委任=公正証書を組む

・日常生活自立支援事業
判断能力が一定、あるいは十分でない方に(という時期に限られる)
福祉サービスの利用支援や日常的な金銭管理を有料で行う
三鷹市には社会福祉協議会のなかに「権利擁護センターみたか」がある。

●DVD

加藤治子「80を過ぎましたが-、尊厳を持って生きる、老後の不安としての認知症」

認知症サポーター100万人キャラバン
(厚生労働省:「認知症を知り地域をつくる」キャンペーン)

認知症、いろんな病気で引き起こされる「ひとつの症状」
中核症状は、細胞が壊されることでその機能を失うこと。海馬が障害されて記憶障害
行動・心理症状(BPSD)
不安・焦燥・うつ状態などが、ストレスなどから二次的に引き起こされているもの

・脳の細胞を長期間にかけて破壊していく、というのが恐ろしい点
最初は知的な側面、段々に感情のコントロールが上手に出来ない、いろんな情報を一片に思い出せないので判断力が障害される

・支援のあり方
独立した個人としてみる、という事。周りの人が杖となり車椅子となるということについて考える

・事例(間違った対応&望ましい対応)

・可燃ごみと不燃ごみの間違い。
この助成は記憶障害や時間の見当識障害からゴミを決まった日に出せない。
詰め寄ってまくし立てるのは、混乱や自尊心の低下を招く。
望ましい対応-「正しいゴミ出しの日にお声がけしましょうか?」
周囲のちょっとした手助けで安心した生活を送れる。

・買い物、和菓子屋、お会計670円です
小銭をたくさん持っているのに1万円で会計をする。

前頭葉や頭頂葉の機能障害、実行機能障害(計算が上手くできない)
670円を小銭の中から選べない。

小銭を持っているのに選べない場合は、トレーに出してもらって、その上で一緒に見える状態で、口頭で述べながらちょうどの金額をもらう。

・公園をうろうろするおじいちゃん
場所の見当識障害、近所でも家に帰れなくなる。
知っているおじいちゃんだから-、(放っておかずに)「一緒に帰りませんか」
声をかけるときは、前から優しくゆっくりと話しかけましょう

・認知症サポーター100万人キャラバン
自治体や企業/団体とキャラバンメイト(=講師)連絡協議会が連携して養成講座を
小学校や中学校などでも生徒、教職員、保護者対象に講座
オレンジリングが認知症サポーターの目印です。
何かと区別のことをする人ではなく、正しく理解し温かく見守る応援者です。

・加藤治子
誰もが認知症になる可能性、自分の問題でもあるという認識

●テキストに
4,5ページはDVDでもよく説明されていましたね。
認知症候群ということと、中核症状・周辺症状

○中核症状
・必ずあるのは「記憶障害」(いそぎんちゃくとつぼの図-結構分かりやすい)
加齢が「壷」に移すのに手間取るようになる。壷自体は侵されていないのに対して、
認知症は「イソギンチャク」の手が病的に衰えてしまうため「壷」に収められなくなる。また、進行すると「壷」自体が解け始めて、覚えていた記憶も失われる。

また脳の萎縮も病気で加速がつく。脳梗塞があると、拘束のあった部位がダメージを受ける。

・「見当識障害」
早期からあらわれる。
年月、時刻、いまいる場所などの基本的な状況把握
今日ここに決まった時間にくるための段取り、これができるのも見当識が働いているから。

事故にあって行方不明になる、というケースもある。

人間関係の見当識はかなり進行してから

・「理解、判断力の障害」
対応の仕方でなるべくここを補完して-
急がせない事が大事。

二つ以上のことが重なると上手く処理できなくなる。-一つ終わったら次、また説明して次のこと、というような。

些細な変化、いつもと違う出来事で混乱を来たしやすくなる
家族でも、行動の変化に「あっ」と思わない限り、認知症がすっと胸に落ちないことがある。
観念的な事がらと、現実的、具体的なことがらが結びつかなくなる
ローンを組んで50万円の布団でも、1万円で安い、と喜んじゃったり

・「実行機能障害」
同じものを買ってしまった、となった時に、「ああこれあたしがこの前買ったやつだ」と思えない。
でも、料理の手順は問題なく出来たり(*意味記憶の保持)でも、同時平行的にいくつも作ることは出来ない。
脳も使えば廃用性は遅らせることが出来る。


行動心理症状とその支援
・自信を失いすべてが面倒に
・将来のノゾミを失ってうつ状態になる場合も
何やってもうまくいかないと言う事もあるし、脳の機能も落ちている。

周辺の人が疲弊する精神症状
・しまい忘れから、もの盗られ妄想へ
大事なものを特別なところにしまおうとして、どこにしまったか忘れてしまったり。

サポーターとして大事なのは「お嫁さんが盗られた」となったときに、お嫁さんを責めるのはやめて下さい。
一方、
なんでも人のせいにするとか、ものを盗られたということは、ちょっと疑ってかかった方がいいかなと。
(でも、本当に盗られていたんです、ということもあるから難しい)
認知症家族を支えることも大事(家族の葛藤)


抗精神病薬によって、症状をおさえる効果があることも。
メリット・デメリットはあるけれど。
本当に家族がへとへとでというような時には相談するのも手かもしれません。


警察への相談は、生活安全課
認知症老人を保護した警察としても対処に困っていることがある。

●資料の続き
・回復、改善するのか?
アミロイドβタンパク質が少しずつ脳に沈着し、脳細胞を死滅させる(老人斑)、アミロイドβの増加が「タウタンパク」を増殖させ-
これが溜まる位置によって、症状の出方、病名が異なる(ピック病は○○、パーキンソン病は脳髄)

・アリセプト(薬)
アセチルコリンの分界酵素を不活性化させる動き(=数をへらさない、ということ)

・血管を守る(=生活習慣病予防のため)、ということもアルツハイマー型が増えてしまっている要因の一つ。

認知症の人は痛みの感じ方が鈍かったり、症状の訴えがうまく出来なかったりするので重大な病気が見逃されてしまうことがある。


(今年は活気的な年です)
メマリー
レミニール
イクセロンパッチ(貼る薬なので、食欲不振や乱暴になることを避けられる)
フェルラ酸(サプリメント)
神経細胞の保護をして減少を防ぐ。

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