2011年11月26日土曜日

【DVD】私らしさよ、こんにちは(集団認知行動療法)1/5

【DVD版】私らしさよ、こんにちは 
5日間の新しい集団認知行動療法 <自尊心をとりもどすためのプログラム>
中島美鈴=著 星和書店(2009
Five days to Self-esteem

DVD1枚(収録時間1時間54分)+付属テキスト(68頁)

1日目-ステップ1:自分を大切にできない考え方
<ワザ1 自分を大切にできない考え方を修整する>


DVD
○自己紹介(2人組)他己紹介(みんなに発表)
・名前
・参加のきっかけ
・好きな食べ物
・おすすめの旅行先
4

最初は皆緊張するので、リーダーやコリーダーが話して雰囲気を和ませる

*「いいですねぇ」連発は、やらしい感じで、ちょい気になるな。でもそれが効果的なのか?

・メンバー同士の共通点を指摘してメンバーの凝集性を上げる
「温泉はさっき熱海に行かれたっておっしゃってましたもんね。
 田中さんと同じですね。いいですねぇ」

・皆、共通した思いで参加していることを強調する。
 

○この本は
P1/
 この本は、
「自分をどうしても好きになれない」
「自分を粗末に扱ってしまう(暴飲暴食、リストカットなども含む)」
「自身が人一倍なくて何もしたくなくなっている」
「自分がいやでたまらない」
などの悩みを抱える方のために作られました。

この本の目標は、自分に自身をもって大切にできるようになる事です。
自分に自身を持って大切にできる人は、心がおだやかで安定していて、
周りの人も大切に出来ます。

P1/
ここではアメリカのデビッド・D・バーンズ博士が開発した認知療法を基にしたプログラムを行います。これまでにアメリカの大学、刑務所、病院、デイケアプログラム、メンタルヘルスクリニックなどで実践され多くの人が自分に自身を持ち大切にできるようになりました。
*「いやな気分よ、さようなら」の著者

○スケジュール
P2/
ステップ1 自分を大切に出来ない考え方
ステップ2 自分を大切に出来ないのはなぜ?
ステップ3 悪循環から抜け出すには
ステップ4 自分を受け入れる
ステップ5 いざ!変身!

12時間(13時から15時)のセッションが、1週間に1回ペースで5回。

○あなたの目標はなんですか 
P3/ 
ミラクルクエスチョン
「あなたの今抱えている悩みがすべて解決できる魔法があります。
あなたの寝ている夜の間にその魔法がかけられました。
朝目が覚めたあなたは、どういうわけだか魔法がかかっていることに気づきました。
さて、あなたはあなた自身の行動感情身体の調子周りの人との接し方などの
どんなところから魔法がかかったことに気づいたのでしょうか
あなたが自身を持つことが出来たら、どんなことをしたいですか?
人生をどのように変えたいですか?

具体的に目に見えるような自分の行動、はっきりとわかるような気分、
周りの人との関係でもよいです。
少なくとも3つ書き出してみましょう。

<Point>
・その目標は、プログラム終了時に、あなたが変化を実感しやすいものですか?
4週間で達成できるくらいのほどよい目標ですか?
・映像で浮かんでくるくらい、目標に達したあなたがイメージできましたか?

DVD
・目標設定に戸惑う参加者も多いので介入する。
・なるべく具体的な目標に設定する

「具体的にはどんなストレスを減らしたいですか?」

「上司にびくびくしている自分がいま、いるわけですよね
じゃあその上司といるときにびくびくしないでも大丈夫なようにイメージして書いておくと
振り返りのときにいいかもしれませんね。」

・詳しく教えてもらうことで目標が具体的になる。
「○○さん。『いつも明るく元気でいる』素敵な目標ですね。
もう少し詳しく教えていただいていいですか?」

*あー、色んなクラスや本やで感じること。
こういう、具体的な、イメージしやすい、ということで
目標設定は達成可能なものに誘導されていくんだけれど、
その「具体性」は
ミラクルクエスチョンとか魔法というような
「漠然と幸福な」イメージからは徐々にずらされていく。
その「地に足ついた感」が、小さいなりにも具体的な達成感につながるんだろうが、
ミラクルとか言いつつさーっていうような、はぐらかされた感じがするし、
こういうセッションに参加しようと思ったときの初心からは離れていく。
時として「あれ、こんなことしたかったんだっけ?」というような。

・目標を皆の前で発表


○成功のひけつ
P4/
このプログラムでは7つのワザを身につける。
このワザは身につけると、自分のことを前より大切に出来るようになります。
ワザをみにつけるには、ひたすら練習あるのみです。
115分を目安に練習を続けていきましょう。

ワザ1 自分を大切にできない考え方を修整する
ワザ2 自分を大切にできない信念に気づく
ワザ3 損得分析
ワザ4 聞いてみよう、見てみよう調査法
ワザ5 もうひとりのあなたのテクニック
ワザ6 ひらきなおりテクニック
ワザ7 ぐずぐず悪魔のささやき

DVD
ステップ1 自分を大切に出来ない考え方
<ワザ1 自分を大切にできない考え方を修整する>

*出来事~考え~感情

・出来事の設定
 「今日は上司が不機嫌な顔をしている」
 (上司がいない場合は、身近で大切な人を思い浮かべる)

リーダー:
「直感で結構です○○さんどう思われますか」~「その時どんな気持ちになりますか?」

(板書)
「何か気に触ることをしたかな」→「びくびく」
「何か悪いことをしたかな」  →「つらい」
「上司に近づかないようにする」→「びくびく」
「感情を仕事に持ち込むな」  →「いらいら」

リーダー:
「同じ出来事を経験したのになぜ感情が違うのでしょうか」

参加者:
「価値観が違う」「考え方が違う」

リーダー
「考え方が違う結果、わいてきた感情も違うということです」
「今日のワザは、考え方を少しだけ変えていただいて、
少しでも皆さんにとって心が元気になる方向に行くように修正していきます。」

P6/
1.感情は自分のもの
ふたりが経験した出来事は同じなのに、味わう感情はまったく別のものでした。それはふたりの考えが違ったからです。ではなぜ考えが違うのでしょうか。原因は人それぞれです。家庭環境?体質的なもの?虐待を受けたから?原因探しはいくらでもできるものです。でも私たちが知るべきことは、どうしたら感情が良い方向へ向かうかです。過去を振り返るよりも、これから未来へむけて、自分で何ができるかを考えるのです

2.いやな気分はたいてい自分を大切にできない歪んだ考えから生じるものです
これまでのつらい体験、体質、環境などさまざまなことが影響して、今のあなたの考えが作られてきました。今感じている嫌な気分はあなたの考えが引き起こしていることなのです。次のページを見て、当てはまるものがないか、自分を振り返ってみましょう。

・思考パターン
落ち込んだり不安になったときの思考パターンを検討する

P7/
・一般化のしすぎ
1つの失敗やいやな出来事だけを根拠に
「いつも~だ」「すべて~ない」のように「一事が万事」式に考える
・自分への関連づけ
何かよくない事が起こったとき、自分に関係のない事まで自分の責任だと判断する。
・根拠の無い推論
はっきりとした証拠がないまま結論を急ぎ、否定的にあれこれ考える
・全か無か思考
ものごとを白か黒かで考える。善悪をはっきりさせないと気がすまない完全主義の傾向
・すべき思考
「~すべきだ」「~しなければならない」といった思考
・過大評価と過小評価
自分の欠点や失敗を実際よりも過大に考え、長所や成功を過小評価する。
逆に他人の成功を過大評価し、他人の欠点を見逃す。
・感情による決めつけ
客観的事実ではなく自分がどのように感じているかを手がかりにして状況を判断する。

■【復習-心理学Ⅱ第11回カウンセリングと心理療法】■■■

A・ベックの、6つの認知の歪み―推論の誤り
うつになる人に特徴的な推論の誤りがあるという事ですね。

・恣意的推論
自分にとって都合の良い方向に全部引っ張っていてしまう。
ここでいう「都合のよさ」とは「うつになりやすさ」を意味している。
将来駄目だ、とか世界は終わる、とか
客観的な根拠が無いのにそういう方向に持っていってしまう。
例えば「朝友達と会って挨拶が無かった」というひとつの情報
=嫌われたと思い込む

・選択的注目
メールはくれた、昼には挨拶があった、という他の情報は無視されて
挨拶されなかったという事だけに注目がいってしまう

・過度の一般化
1つの出来事から、一人に嫌われたら
誰もわたしのことなんか好きになんてなってくれないだろう。
生きてる価値なんか無いんだ。とどんどん広げて考えてしまう。

・過大評価と過小評価
ネガティブは過大に、ポジティブは過小に

・個人化(personalize)
悪いことを何でもかんでも自分に結び付けて考える
友達がずっと煙草を吸っていたのは私がやめさせなかったからだ。

・善か無か(All or nothing)
両極端、白黒はっきりつけないと気がすまない。

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DVD
どのような思考パターンにあてはまったかチェックしてもらい、挙手をする。
-参加者同士が悩んでいるのは自分だけではないと思える場を提供する。
(リーダーは笑顔でうんうん、的に見ている。「多いですねぇ」とか言いながら)

リーダー:
「では、考え方の癖に気づいたところで、その考え方を修正する練習をしてみたいと思います。」


P8/
○自分を大切にできない考え方
・対人関係に悩むくよ子さん
くよ子さんはあるプロジェクトを任されました。
大きなプロジェクトで動機のみんなもうらやましがりました。
ある日、上司がくよ子さんの書類を見てこう言いました。
「くよ子さん、ミスが多いじゃないか。しっかりしてくれよ」
その後、上司が同僚の直子さんに「今日飲みに行くぞ」と声をかけるのが聞こえました。

あなたがくよ子さんならどう考えますか?
(くよ子さんになりきって考えたことを空欄に書く)

考えというと難しく考えてしまう参加者も多い。


リーダー:
ひとり言でつい言ってしまいそうなことを考えてみてください

DVD
参加者の考えたことを発表してもらう。

参加者:
「上司は同僚の方が良い部下だと思っているんだろう。自分は社会人失格だ」
「もっとしっかりしなくちゃ、同僚に遅れをとってしまた。自分は駄目な人間だ」
「最初からプロジェクトなんて任されなければよかった。私にはそんな能力はなかった」
「ミスをするなんてなんて駄目な人間なんだ。惨めだ」

リーダー:
「この考え方では、心が元気じゃなくなってしまいそうな、駄目になってしまいそうですので
さっそくワザをつかって考え方を修正してみましょう」


P9/
○考え方を修正しよう
(くよ子さんになって、下の表を書き込んでみる)

・その時浮かんだ自分の考え

・感情(最大落ち込んだ時を100%としてその時の感情を%で表示)

・考え方のクセ

・自分の考えの根拠となる事実

・あなたと同じ出来事を経験したら 
 100人中何人があなたと同じ考え方をすると思いますか

・自分の考えと逆の事実や例外となる事実

・自分を大切にする考え方
 (上の二つの事実(根拠と例外)をふまえたらどんな考え方になりますか)

・新しい感情
 (自分を大切にする考え方をした結果の感情)

注:事実とは自分の「見ること」「聞くこと」のできる事がらで自分が予想した点ではない。
例―「私は上司に嫌われているかもしれない」←これは「考え」であって「事実」ではない。

■【復習-認知行動療法勉強会 110305】■■■
思考記録表
コラムとも呼ぶ。正式には非機能的思考記録表)
これを使わない手法もあるが、紙に書いていくことでより分かりやすく進められる。
①状況
②気分
③自動思考(イメージ)
④根拠(自動思考を裏付ける事実)
⑤反証(自動思考と矛盾する事実)―きっとあるはず
⑥適応的思考(別の新しい考え/視野を広げた考え)
⑦今の気分レベル
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ポイント
・「新しい感情」においても、否定的感情が0%になっていないというところ。
・否定的な感情が必ずしもゼロになる必要はなく、事実に基づくことが大事だと説明する

●DVD
リーダー:
「仕事で失敗して『全然大丈夫』はどうでしょうか?
事実に見合うくらいの落ち込みは必要、修正しなければならないのは過度の落ち込み」

・感情を表現するのが苦手な参加者には、快・不快のおおざっぱな把握から。

リーダー:
「うまく考え方の修正ができましたか?」
参加者
「なにか借り物めいていて、こんな風にプラスには考えられないです」
リーダー:
「貴重なご意見ありがとうございます。
そうですよね。○○さんと同じような考え方、ちょっと馴染まないなぁという方
他にいらっしゃいませんか?」

・否定的な意見が出た場合は発言に感謝し、他の参加者にも尋ねる

参加者:
「私も同じで、頭でこう考えなきゃということは分かっているのですが…」

リーダー:
「実はですね、こういう考え、どうも馴染まないというのは皆さんおっしゃいます。
他の方も少なからず抱いてらっしゃるのかなと思うのですが
いくつか馴染まない原因があります。
むりやりプラス思考にしようとした場合。
さきほどのくよ子さんのケースの場合にも否定的感情はゼロにはなりませんでしたね。
他にも原因としては
この表の自分の考え、感情を全部は出し切れていない場合。
頭では『上司が同僚を飲みに誘ったけど大丈夫』とは思っていても
心のどこかで『自分は嫌われちゃったんじゃないかな』と思っていたり、
男性は自分の悲しみや淋しさを抑圧してしまう傾向があるようです」

○ホームワーク(P11
脳の神経細胞をイメージした図を、このプログラムのBefore-Afterで書く

・考え方を修正する仕組み
よく使う思考回路ほど、どんどん太く活性化していく。
ということは、もしマイナス思考に陥ることが多ければそこが太く活性化してしまう。
マイナスに考えるクセがついてしまう。

そこで、
新しい「自分を大切にできる考え方」を学び新しい回路を作り、
これを練習して使い続けることで、太く変化していく。
だいたい3ヶ月を越えたころから変化していくことが多い。
また、マイナスの回路は細くなっていく。

ホームワークとしては、
現在のマイナスの回路が太い図と
未来のプラスの回路が太い図を描くということ


*あー、なんだろうな。このマイナスの思考が細くなっていくことに対して
妙に楽観的なのがすげーやだ。
マイナスの思考にも適応的な意味があったとすれば、
上のように思考回路が変わっていくことだって、一つの喪失体験には違いない。

マイナス試行の適応的な意味とは、危険を察知することや、
自分がショックな体験から身を守ることでもあるので
(これはこれで自尊心を犠牲にしているのだが)
ある意味では、自分を危機に曝すことでもある。

まーでも結局、ここに固執していると、
それまでのパターンは変わりませんよってことなんだろうけれど。

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