2011年9月23日金曜日

DJ雰囲気

DJ雰囲気はレコードとターンテーブルを常に持ち歩いている。
(チンドン屋的に背負ったりしている感じ)
彼の琴線に触れる何かが起こると、突然セレクトしたレコードに針を落とし
その場の雰囲気にぴったりマッチした曲を流しだす。 
時にみんなが集まる食堂で、喫煙所の煙の中で、盛り上がった会話の中で。

彼は言う。
「僕が音楽を選んでいるんじゃない。
僕はただ、そこに流れているバイブレーションを
みんなに聞こえるようにしているだけなんだ。」

「人生において、どうやって音楽と出会うかは大問題さ
完璧なタイミングで曲と出会うことは、完璧なタイミングで女の子と出会うことと同じなんだ」

「全ての人が、全ての音楽と恋に落ちる可能性を持っている。
ただ、人生はすこし短すぎるだけさ。
だったら少しでも、幸せな曲で幸せな時間を過ごしたいじゃないか」
 
 
ところかまわず音楽をかけだす彼に面食らうこと人もいる。
けれど、彼の選曲に身をゆだねることで、 
次第に一瞬一瞬を心から満喫できるようになってゆく。
 
彼のことをけっして好きになれない人もいる。
世の中のルールは、幸せより秩序を優先する。
あくせくと働いていれば、音楽を聴くことは忘れられてしまう。
メロディは過去の思い出を映し出すことしか求められない。

DJ雰囲気は、そんな世界が少し悲しい。
音楽はみんなをもっと幸せに出来るのに。
DJ雰囲気は、心がオープンな人が好き。
ふさぎ込んでいる人の心が開くのを待っている。心が開かない人はいないんだ。
DJ雰囲気は、歌わない。
色んな所からたくさんの音が聞こえすぎるんだ、僕に出来ることは耳を澄ますことだけさ。

今日もまたDJ雰囲気はどこかで音を聞いている。
彼にしか聞こえない音を。彼しか聞こうとしない音を。

音楽は世界の始まりとともにあった。
僕らは心から音楽を嫌いになるようには造られていない。
DJ雰囲気は、音楽で世界がひとつになれると信じている。

Đạo Cao Đài

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