2011年9月22日木曜日

SST入門講座‐1 SSTとは

4限 227 正田久子

【講義の内容】
SSTは近年その効果が注目される認知行動療法に基盤を持ち、対象者の社会的スキルの学習を援助する方法のひとつである。グループ形式だけでなく、個人面接や日常場面にも手軽に用いることができる「ひとりSST」も併せて学び、現場実践での援助の幅を広げることを目指す。

*SST用の部屋(ホワイトボード、コミュニケーションについて等の掲示。
椅子を丸くする配置、参加学生は名札をつける。学生は25,6人、今年はやや多めらしい。
社福と臨床心理が半々くらい。(臨床は実習に際しての受講が勧められている)

・先生の自己紹介。
94年にルーテル学院大学の社会福祉学科を(社会人入試の後)卒業。
ルーテルの社会福祉学科の大学院の1期生
更生保護施設や障害者職業センターでの就労体験やうつの復職支援に際してのSST講師

●プリント配布

1.用語の由来
Social Skills Training:社会生活技能訓練、生活技能訓練、社会的スキル訓練などの訳語
・もとは精神科の患者向けプログラムだった。

日本には1989年にきた。先生の在学中、SST普及協会のプログラムに参加。
その当時は「訓練」というニュアンスが強くあり、SSTのイメージもいまとは違った。
現在では「非指示的」なアプローチで、あくまで利用者が何を望むか、というスタンス

2.ソーシャルスキルとは
1)感情や要求を他者に伝える助けとなり、対人的な目的を達成することを可能にするすべての行動

2)対人的能力:主としてコミュニケーション(バーバル、ノンバーバル)
個人内能力:認知、思考、感情のコントロール 認知-例えば「断る」スキル。(相手をがっかりさせるのが嫌だな、という認知の変化)

3)コミュニケーションの種類
道具的技能: 身体的・物質的・経済的欲求を充足する目的
親和的技能: 対人関係を作り、維持する目的、おしゃべり
例えば、「職場における昼休み」=親和的技能の重要性。就労体験の時の話

「いまここで私と二人きりになったとしたらどんな会話をしますか?」
(学生) 「SSTの話」

そうですね、ここでのポイントは2点あります。
親和的なコミュニケーションにおいては「共通の話題」「当たり障りのない話題」が求められる。
しかし、統合失調症、認知に障害がある場合は、関係の「距離」に難しさがある。

*自分が鳥居みゆきに惹かれるのは、この「共通」も「あたりさわりのなさ」もないところなんだろーなー。唐突かつ急接近

4)ソーシャルスキルの3要素
受信技能
処理技能
送信技能

5)ソーシャルスキルの獲得(社会化):経験学習・観察学習

○設定に基づいてのグループディスカッション

設定:統合失調症、妻あり(働いて家計を支えている)
奥さんのバーゲンに付き合うときの問題。
彼の楽しみはバーゲンそのものよりも、そのあと「食堂でご飯をたべること」
いつも問題になるのは、
奥さんがバーゲンの品定めをしている間に、待っていてイライラしてしまう。
そしてつい「早くしろよ!いいかげんにしろよ!」-そう言ってしまうと関係はギクシャクする。
そうなると、食事をしていていても、それが尾を引いてうまくいかない・・・

さぁ、ここから皆さんに考えていただきたいと思います。
この彼はどうしたらよいでしょうか?

(ディスカッション、のち発表)
・夫は夫でその時間を別の場所で楽しむ(他のフロア、本屋)
・時間をずらして食事に間に合うように出発する
・そもそも食事とバーゲンを分ける。
・一緒にバーゲンの品物を見てあげる(褒める)

SSTの目的は、課題状況への「よりよい対処」を見つける事です。
そして「実際に気持ちをどう伝えるか」―みんなの知恵で
⇒「生活する力をつける」=SSTの一大目標
○ウォーミングアップ的なゲーム
じゃんけん「負けるが勝ち」
(処理能力のはなし)

○成績評価
出席、参加重視
レポート:参考文献中一点を読んで、理論の大事なポイントをまとめる。


今後は当番を決めて、ウォーミングアップも皆さんに勧めていただきます(リーダーのスキル)

○最後15分-良いコミュニケーションとは
「二人組になって、何気ない雑談をしてください」そして、壁にかかっているポイントに沿って、終わったあとに、相手の人を褒める。

褒めるポイントは
・視線/手振り/身をのりだす/はっきり伝える/明るい/内容が適切褒めることもSSTの重要な手順のひとつ。

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