2010年1月16日土曜日

面接調査表

     本学科を志望する理由を書いて下さい (4行)

私が御校の臨床心理学科を志望するのは、人間の心について学び将来はその知識と経験を生かした職業に就くという目標を達成する為に最善の場所だと考えるからです。まず臨床経験豊富な教員の方々から少人数制且つ多くの実習を通して授業を受けられる点、また臨床心理学は他の心理学分野、宗教、社会福祉、精神医学との間に学際性を有する学問であると考えているので、幅広い履修が可能なカリキュラムである点、また社会人に対する手厚い配慮は多彩な背景を持つ学生とともに勉強が出来る環境につながるものであり魅力を感じています。以上が私の志望理由です。


     受験する分野を学ぶ動機に影響を与えた人や出来事、書物などを具体的に書いて下さい。(7行)

私が臨床心理学を学びたいと思ったのは、幾つかの行き詰まりから家出同然に出奔してしまった昨年の出来事に端を発しています。当時は会社との方向性の相違による退職が目前に迫りながらも次の就職に迷いがあり、結婚を巡る同棲相手との不和、信頼していた友人の自死という苦しさが重なった結果、周囲との連絡を一切断ち家を飛び出してしまいました。そうして各地の農家で働くなどしながら、出会った人と話す事や読書を通して自分の人生を見つめ直せた事が人生の転換点となりました。当初は「自分の心の問題とは何か」「自分にとって救いとは何か」が考えの中心を占めていましたが、次第に「他の人は心理的な危機をどう乗り越えるのか」へと広がり、そのような苦しみの助けになる事こそ「世の為」と「自己実現」を両立できる仕事だと考えるようになりました。そしてこの決意をもって出奔にも決着をつける事が出来ました。周囲への多大な迷惑を伴う挫折体験でしたが、以上が臨床心理学を学ぶ私の気持の根本にある出来事です。


     人間関係のあり方で、あなたが自分自身について積極的に評価したいと思っている点、改善したいと思っている点について書いて下さい (9行)

私が自分の人間関係において評価したいと思う点は協調性です。何故ならば私が他者との関わりの中で最も大切にしたいのは、各人が一人でいた場合には存在しなかった世界の広がりを感じる事だからです。人と関わる事によって自らは考えつかなかった事も考えられるようになり、以前とは少し変化した自分の世界で再び考える、その繰り返しが現在の私を作ってきました。従ってこの場合の協調性とは表面的な技法にとどまる事なく、そこで生まれる世界を更に広げる為の言わば「破調性」とでも言うべき性質を含んだものです。一見馬鹿げた行為や一瞬の思いつきの中にしか表れない価値を極力大切にしつつも他者の不満や傷、人間関係の危機に対しては敏感であろうとする姿勢が私の言う「協調性」の核心であります。
私の改善したい点は「弱さの表現力」です。私には克服すべき弱さと自分にとっての無理とを見誤る傾向があり、本資料の2項に書いた出来事もこのような性格に起因していると考えられます。しかし時として自分の弱さを率直に認め身近な人に伝える事が自分自身と人間関係の双方を破綻させない方法である事を認識し実践していきたいと考えています。

     キリスト教を基盤とする大学で学ぶことについて、あなたはどのように考えていますか(4行)

私はキリスト教の信徒ではありませんが、キリスト教は西欧で発展を遂げた自然科学・近代思想の重要な背景であり、臨床心理学という科学と哲学の両側面を持つ学問を修めるには必須の教養であると考えています。また個人的な経験になりますが本資料の2項に書いた出来事の渦中、未信徒にも開かれた断食道場を併設する岐阜県の教会に3週間ほど滞在したことがあります。断食が所期の目的でしたが、牧師や信徒の方と話し聖書と向き合う貴重な体験であったと感じています。これらのことからキリスト教を基盤とする御校で学ぶ事に対して大きな期待を感じています

卒業後の進路について、現在の希望を書いて下さい (5行)

カウンセリングや心理療法などの援助技法、臨床心理学の知識を生かせる仕事をする事が目標です。臨床心理士の資格取得によってその機会が広がり、知識や経験も更に深められるのではないかと考えていますので大学院進学を希望しています。

臨床心理学の分野で、これから特に学びたいことがあれば、その内容を書いて下さい (7行)

まず私の感じた心理的危機に近い分野であると考えられるグリーフワーク、アパシー、産業カウンセリングに強い関心を持っています。心を社会的な文脈に位置づけて考える家族療法、対人関係論、コミュニティ心理学にも興味を持っています。社会の変化に伴い心理的なサポートのあり様はどのように変っていくべきなのかを考え、より実践的な援助技術を身に付けたいと思います。欧米を中心に広く採用され実証性に優れているとされる認知行動療法にも関心があります。特にこの療法における「不適切な認知・不合理な信念」という意味づけは今の私にとって不可解なだけにきちんと理解したいと思います。またそもそも心と身体はどのように関係しているのか、は私にとって臨床心理学を志す以前からの問いでしたので大学生活を通じても何らかの手掛かりを得たいと考えています。やや散漫になりましたが以上が臨床心理学の分野で私が特に学びたいことです。